在任中に憲法改正を目指すと明言した安倍晋三(しんぞう)首相=2016年3月2日、参院予算委員会(斎藤良雄撮影)【拡大】
世論変化 後押しにも
だが首相は、今年に入って憲法改正に前向きな発言を繰り返してきた。1月22日の施政方針演説で、「逃げることなく、答えを出していく責任を果たしていこう」と呼びかけた。2月3日の衆院予算委員会では、9条2項について「7割の憲法学者が自衛隊について憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきではないか、という考え方もある」と述べてもいる。
首相の発言の背景には、世論の変化があるようだ。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が1月23、24両日に実施した合同世論調査では、安保関連法について「評価する」(46.5%)が「評価しない」(46.2%)を上回った。共同通信が2月20、21両日に行った世論調査では、安保関連法を「廃止するべきではない」が47.0%で、「廃止するべきだ」の38.1%を大きく引き離した。憲法改正=(イコール)9条改正と捕えて、アレルギーの大きかった安全保障に関する国民の意識の変化を、首相は敏感に感じ取っていたからなのかもしれない。
憲法改正を争点化することに慎重な自民党執行部も、参院選公約で前面に掲げるかどうかについて検討を始めたという。回り道をしすぎれば、憲法改正のチャンスを逃しかねない。真正面から訴えた方が近道かもしれない。(政治部 小島優/SANKEI EXPRESS)