在来種カメを圧倒する外来種 名勝・猿沢池、安易な“ポイ捨て”横行 (2/5ページ)

2014.3.9 12:02

  • 猿沢池の水抜きで捕獲されたスッポン
  • 水抜きされた猿沢池から出てきた携帯電話=2月19日、奈良市
  • 水抜きされた猿沢池から出てきたラジカセ=2月19日、奈良市
  • 池からはナンバープレートも出てきた=2月19日、奈良市
  • 水が抜かれた猿沢池で生き物を捕まえる作業員ら=2月19日、奈良市
  • 池で捕獲された大量のカメ=2月19日、奈良市
  • 猿沢池で捕獲されたミドリガメを見せ合う子供ら=奈良市
  • 猿沢池で大量に見つかった外来種のミドリガメ=奈良市
  • 池で捕獲されたカメが次々と運ばれてきた=2月19日、奈良市
  • 水抜き調査で猿沢池の中の生き物などを捕まえる作業員ら=2月19日、奈良市
  • 猿沢池の水抜き調査であがった大量のゴミ=奈良市


水を抜いた猿沢池で見つかった大量のカメ(左)とごみのラジカセ=2月19日、奈良市

水を抜いた猿沢池で見つかった大量のカメ(左)とごみのラジカセ=2月19日、奈良市【拡大】

 今回の調査ではほかにスッポンが3匹と、中国原産のハナガメ、イシガメとクサガメの交配種、北米原産の肉食魚「スポッテッドガー」も各1匹発見された。前回も含めて見つかったカメの原産地は北米や中国、東南アジア、中近東など世界中に及び、地元の生物を調査している奈良教育大付属小の井上龍一教諭は、「(まるで)カメの国際見本市だ」と皮肉まじりに形容した。

 国内で急速に普及

 ミドリガメは米ミシシッピ川が原産で、もともと日本にはいない。在来種のクサガメ、イシガメに比べ、卵を産む数が多く、繁殖力が強い。ストレスにも強く、甲羅干しのできる陸地を在来種を押しのけて独占する。体も浮きやすい構造で、陸地がなくても甲羅干しができる。

 1970年代頃から日本に輸入され、たちまち普及したが、成長が早くて飼いきれなくなり、捨てる飼い主が後を絶たない。猿沢池だけでなく、全国の川や池で生態系の破壊が問題となっている。

 国内で広範囲に普及しているため、輸入や飼育、遺棄を禁止する外来生物法の「特定外来種」に指定すると混乱が生じる恐れもあるとして、環境省は段階的な規制を検討しているが、根本的な解決は難しいのが実状だ。

「狭い水槽で飼育された後、池に投げ込まれた可能性が高い」と指摘

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