ふと見上げれば、大型の電動サンルーフが開放感をもたらす。様々な場面でルーフを開けてみたが、風の巻き込みをしっかりと抑えているので、高速走行中でも車内でプチ・ハリケーンが発生するようなこともないし、「風がゴーゴーとうるさい」と感じることもなかった。
インテリアで一つだけ残念だったのは、シフトレバーの手前に並ぶ3つのボタンがやや安っぽいことだ。これらは「走行モード」などを選択するボタンなのだが、「これだけ質感が高いのに、なぜここだけ…」とズッコケそうになってしまった。この辺の詰めの甘さは、ぜひドイツ御三家やレクサスを見習って改善してほしいと感じた。
トランクルームはタイヤハウスの張り出しを抑えてあり、広々としている。トランクスルー機構も備えているので、あらゆる大きさや形状の荷物にも対応できそうだ。
充実の先進安全装備
アダプティブ・クルーズコントロールやエマージェンシー・ブレーキシステムなど、思いつく先進安全装備はほぼすべて搭載している。道中に道路脇で工事を行っていたのだが、CT6は車両の近くに立つ作業員の存在をカメラでしっかりと認識し、人型の警告サインをインパネ上で表示することでドライバーに危険を知らせてくれた。
これまで「アメ車は大雑把で荒っぽい」というイメージが強かったが、CT6の走りは実に繊細で正確。高い操縦性や運動性能を披露するなど見た目に似合わない「ドライバビリティ(運転のしやすさ)」が際立っていた。室内空間も隅々にまで心づかいが行き届いている。CT6の特徴を言葉で表すなら「まじめな正統派ラグジュアリー」「信頼できる安定感と安心感」といったところか。今回は自分でハンドルを握ったが、機会があればぜひ、運転手付きの後部座席で“社長気分”を味わってみたくなった。
2週目となる次回は、シボレー・コルベットと同じ6.2リッターV8エンジンを搭載したモンスターセダン「CTS-V」を紹介する。乞うご期待。(産経ニュース/SankeiBiz共同取材)
■主なスペック キャデラック・CT6 プラチナム(試乗車)
全長×全幅×全高:5190×1885×1495ミリ
ホイールベース:3110ミリ
車両重量:1920キロ
エンジン:V型6気筒DOHC
総排気量:3.6リットル
最高出力:250kW(340ps)/6900rpm
最大トルク:386Nm(39.4kgm)/5300rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:全輪駆動
タイヤサイズ:245/40R20
定員:5名
燃料タンク容量:72リットル
ステアリング:左
車両本体価格:998万円(税込)