TPP審議、早くも暗礁 民進が審議拒否、西川本出版計画に反発…頭抱える自民
衆院環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)特別委員会は8日、西川公也委員長(自民党)が出版を予定しているTPP交渉の内幕を描いた著作をめぐる政府の情報開示姿勢に、民進党が猛反発し、特別委を途中退席した。特別委は大幅に遅れて再開したが、民進、共産両党は欠席する審議拒否に転じ、正常化のめどは立っていない。後半国会最大の政治テーマが早くも暗礁に乗り上げた。
「(西川氏が)交渉内容を詳しく知っているとしか思えない」。民進党の緒方林太郎氏は、著作の下刷り(ゲラ)とされる印刷物の束を示しながら、追及姿勢を強めた。政府のTPP対策本部職員らが西川氏に情報提供などで協力していれば守秘義務に反すると指摘し、政府が「秘密保持」を理由に、国会には黒塗りの交渉資料を提示していることとの整合性もただした。
西川氏は出版予定を認めず、石原伸晃TPP担当相は「印刷物の束が何であるか認識していないのでコメントは差し控える」と答弁。時折、薄笑いを浮かべながら「ゲラが確認できない以上、コメントできない」と突っぱねた。
これに反発した民進党は、西川氏の議事運営も公平性に欠けるとして退席、審議は中断した。与野党は正常化に向けて断続的に協議したが、折り合わず、与党側は約6時間後に審議を再開した。だが、民進、共産両党は出席しなかった。
民進党の近藤洋介筆頭理事は記者団に「乱暴な運営だ。審議再開に応じることはできない」と述べ、西川氏の不信任案提出も示唆した。審議拒否に転じた背景には、24日投開票の衆院北海道5区補選や夏の参院選をにらみ、政府の情報開示姿勢を「隠蔽体質」と印象づける狙いがある。
一方、自民党の高村正彦副総裁は8日の役員連絡会で「守秘義務がある資料を要求すれば、黒塗りは当たり前。民進党は選挙向けパフォーマンスに明け暮れている」と批判した。ただ、政府・与党内には当初から、失言癖がある石原氏と「政治とカネ」問題で農林水産相を辞任した西川氏を不安視する向きはあった。西川氏の著作出版も自民党国対幹部は委員長就任前から把握していた。
中央公論新社は8日、5月に出版予定だった西川氏の著作について、出版日が未定となったと明らかにしたが、自民党中堅議員は「そもそも、この時期の出版自体がおかしい。ミスキャストだ」と頭を抱えた。
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