政府は早期成立にこだわり 成長戦略の核
TPP法案審議
国会内で会談に臨む自民党の佐藤国対委員長(中央右)と民進党の安住国対委員長(同左)ら=13日午後
安倍晋三首相が、TPPの承認案と関連法案の今国会での成立を目指すのは、巨大経済圏を創出するTPPを成長戦略の“核”に位置付けるからだ。
「TPPは21世紀型の新たな共通ルールを太平洋に作り上げ、自由で公平公正な一つの経済圏を構築する試みだ。日本の実質GDP(国内総生産)を約14兆円拡大する効果があると予測されている」
菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は13日の記者会見でTPP発効による経済効果を改めて強調し、「今国会で承認をいただき、法案が成立するよう努力したい」と述べた。
与党には昨年末から、一連の審議を秋の臨時国会に先送りする案もあった。ただ首相官邸サイドは「法案を早く通した方が農家対策をアピールでき、夏の参院選にも得策」と判断。今国会の審議を認めた経緯がある。
官邸側には、民進党などの姿勢は審議を遅らせたいだけの国会戦術に映る。政府が提示した「黒塗り」の交渉資料を批判するのも、交渉過程を明らかにできないことは承知の上でのこととみている。
菅氏は記者会見で民進党の求めに応じて膨大な資料を提示したことに触れ、「過去のどんな交渉でも交渉過程を明らかにすることは一切ない。民主党政権の時も野田佳彦首相が同じようなことを言っていたではないか」といらだちを隠さなかった。
政府は引き続き早期成立を目指すが、強引に事を運べば参院選で野党を利することになりかねず、複雑なジレンマに悩んでいる。
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