英EU離脱問題、国論二分で家族や親族に“亀裂” 和解や団結求める声

 
英サンダーランドで始まった国民投票の開票作業(ゲッティ)

 【ロンドン=岡部伸】英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が23日実施され、国の将来を左右する「歴史的な機会」(英メディア)に有権者が1票を投じた。約10週間にわたり国論を二分した残留派と離脱派の論戦は、国民の間に亀裂を少なからず生じさせたとみられる。投票所に足を運んだ人からは、投票が終了したことで和解や団結を求める声が上がった。 

 「英国をより強く、より安全で、より良い暮らしが保てるよう投票してくれたすべての人に感謝したい」

 キャメロン首相は23日夜、フェイスブックにそう書き込み、自身が率いる保守党内からも多数の議員が「離脱支持」に回った苦しい戦いぶりをにじませた。

 一方、離脱派の英独立党(UKIP)のファラージュ党首は「(国民投票の勝敗にかかわらず)この戦いに勝利する。独立を取り戻す」と気勢を上げた。

 23日夜に始まった開票では、地域によって結果が割れ、首都ロンドンでは残留派が優勢となったが、中部バーミンガム近郊では離脱派が7割に迫る票を得た町も出た。金融市場では開票速報に反応し、英通貨ポンドが乱高下した。

 ロンドン中心部、ソーホー・ガーデン近くの投票所で「残留」に投じた広告代理店に勤めるジーェムズ・ベーカーさん(29)は、「ロシアの伸長に対抗するにはEUに留まって他国と連帯すべき」と考え、ビラ配りなど残留派の運動に参加。「憎悪や外国人嫌いを広げるべきではない。投票結果が出れば離脱派と和解したい」と語った。

 一方、チェルシー地区で教師を務めるマリア・シンプソンさん(48)は、「EUが官僚的で民主主義が守られていないようなので疑問に思っていた」と離脱に投票したが、家族や親族の間でも論争が生じたと打ち明け、「うんざりしている」と話した。