英EU離脱 企業は事業への打撃を懸念 円高進行、生産体制見直し検討

 
イギリスのEU離脱を問う国民投票を受けて、慌ただしく為替取引を行うみずほ銀行本店のディーラーら=24日午後、東京都千代田区

 英国のEU離脱に対し、残留を求めてきた日本企業には「世界経済へのマイナス影響が懸念され、極めて残念」(日本鉄鋼連盟の進藤孝生会長)など、失望と今後への懸念が広がった。

 英国で鉄道や原発事業を展開する日立製作所の東原敏昭社長兼最高経営責任者(CEO)は24日、「事業への影響を慎重に評価し、対応を検討したい」とコメントした。同社は昨年9月に英ニュートン・エイクリフに鉄道車両の工場を新設したばかり。現在400人の雇用を730人まで拡大する計画だが、見直す可能性が出てきた。イタリア工場を欧州の主力にすることもあり得る。

 自動車各社も、英生産拠点からEUへの輸出に10%の関税がかかる恐れがでてきたため、競争力低下を警戒する。トヨタ自動車は英バーナストン工場で「オーリス」など中型車を年19万台生産、EU向けなどの輸出が約75%を占めており「今後の動向を注意深く見守りながら検証していきたい」と、欧州拠点も含めた今後の生産体制の見直しを示唆。日本商工会議所の三村明夫会頭は記者団に「日本企業は当面、英国投資は抑制的になる」との見方を示した。

 また、24日の外国為替市場での急激な円高進行を目の当たりにし、多くの企業は「短期的には円高ユーロ安などで為替の影響が出ると想定している」(パナソニック)と、業績への打撃に身構える。

 「株安が進めば国内消費も低迷する。為替によっては訪日外国人の消費にも影響が出るなど不安要素が多い」(高島屋の村田善郎常務)と、内需への悪影響を心配する声も上がっており、経団連の榊原定征会長は同日記者団に対し、「政府目標の国内総生産(GDP)600兆円にプラス材料にはならない」と述べた。