TPPで米価が壊れれば、就農者がさらに少なくなる可能性もある。ただ、南雲氏はTPPを悲観的ばかりには捉えない。
「農園ビギン」は現在25ヘクタールの水田を耕す。南雲氏の所有地はわずかで、大半は後継者のいない農家など38軒から借りた土地だ。
「どのタイミングで農地を手放せば高い補助金がもらえるか、値踏みする農家すらいる。TPP対策の補助金を将来ビジョンのある農家に絞れば、大規模化も進むのでないか」
ビギンは冬場の収入源として、平成22年に「さつまいもプリン」の工場を建てた。発案は東京から8年前に就農した新谷梨恵子氏(35)。豊かな風味が評判を呼び、東京・表参道にも販路を拡大した。
7人の従業員を抱え、平均年齢は29歳。南雲氏は「人が増えるたびに自分の年収は下がる」と笑う。ただ若い人を引きつけることが、小千谷の田園風景を守る道と確信している。
「この土地を守る若者を育てるのが俺の仕事」
県内にはコシヒカリの海外販路を切り開いた若い農家もいる。