その上で、「単に減反見直しを語るだけでなく、国を挙げて輸出拡大の知恵も出すべきだ。本来マーケティングくらい国がやるべきだ」として、今こそ、農地の集積を進め、コストダウンと海外輸出の進展を図るべきだと強調する。
新潟県小千谷市の谷井(やつい)靖夫市長(75)の楽しみは里山へのハイキングだ。大手家電の旧三洋電機で、半導体を世界に売り歩いた谷井氏は定年退職後、市長に担ぎ出された。
「山から市内を見下ろすと、うねる信濃川沿いに一面の田んぼが広がる。春先になれば水を張った田んぼが鏡のようにキラキラ光り、秋は全面が黄金色に染まる。ため息が出るほど素晴らしいんですよ」
農地集積に補助金を出し農業の大規模化を後押ししてきた谷井氏は、今はまだ雪に覆われた田んぼを見ながら決意を新たにするのだった。「農業を強くする知恵を出したい」
【用語解説】減反政策 コメ余りによる米価下落を食い止めようと、政府は昭和45年にコメの生産を制限する政策を導入した。農家の保護につながった半面、休耕地を急増させ、農家の新たな担い手不足をもたらした。生産調整により消費者も主食のコメを高い値段で買わされてきた。