東京ハイヤー・タクシー協会の藤崎幸郎専務理事も「主な30社の合計の売り上げは、4月は前年同月比0.2%減だったが、5月には2.8%増に転じた」と話す。
地方には届かぬ回復
しかし、回復傾向は地方には届いていない。栃木県タクシー協会の担当者は「景気が良くなっているとは聞かない」と明かす。ある運転手は「給料が上がって、飲み屋が忙しくなって、初めて景気回復の恩恵を受ける。あと1、2年はかかる」とため息をつく。
第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「今の消費は足元の株安で勢いが衰えても、消費増税前などの駆け込み需要で盛り返す可能性もあり得る。来年以降に賃金上昇が本格化するかどうかが、持続的な消費拡大が実現するかどうかの鍵を握る」と話している。