日銀の思惑、皮肉な結果に 日本国債めぐる2つのハードル (1/3ページ)

2013.6.17 08:30

黒田東彦日銀総裁

黒田東彦日銀総裁【拡大】

【ビジネスアイコラム】

 黒田日銀による異次元の金融緩和に伴い、日本国債市場が動揺し、指標となる10年物国債の流通利回りは乱高下を繰り返している。

 2年間で国債を買い入れるなど270兆円ものベースマネーを供給する大胆な金融緩和策により、国債の流動性が枯渇したためで、日銀は1回当たりの買い入れ額を少なくするため、買い入れ回数を増やすなどの措置に乗り出している。

 そうした中、「これだけ国債の価格が乱高下するようであれば、10年物国債の指標性は失われたようなもの」(市場関係者)との声が漏れ始めている。事実、10年物国債の流通利回りに連動する各種の金利にも異常が生じている。

 メガバンクが一斉に住宅ローン金利を引き上げたのはその典型だ。日銀は国債を買い入れることで、長期金利を低下させ、企業の設備投資など借り入れ需要を喚起したいとしているが、その思惑とは逆に長期金利が高騰する皮肉な結果となっている。

もう一つは国の予算上の国債の想定利回り

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