増税対象となる軽自動車を展示する三菱自動車のショールーム=12日、東京都港区(早坂洋祐撮影)【拡大】
平成26年度の与党税制改正大綱では、軽自動車税が27年度から50%引き上げられ、販売台数が減少する懸念が強まった。しかし、投資減税の創設など企業活動の支援も多く盛り込み、全体として産業界からの評価は高い。一方で、安倍晋三政権が掲げた法人実効税率の引き下げについては明確な方針を打ち出せず、大きな“宿題”も残っている。
「決まった以上はルールに従ってやる。販売努力するしかない」(スズキの鈴木修会長)
「非常に残念」(ダイハツ工業の伊奈功一会長)
27年度からの軽自動車税引き上げに対し、軽を主力とする自動車大手の経営者からは落胆の声が漏れた。
自動車取得時の税負担軽減については、豊田章男・日本自動車工業会会長(トヨタ自動車社長)は「関係者の尽力に感謝したい」とコメントしたが、税負担増となった二輪車、軽自動車については「残念といわざるを得ない」と指摘した。
また消費増税を契機に、長年の悲願だったビールの減税を要望してきたビール業界にとっても「税制改正大綱に盛り込まれなかったことは非常に残念」(磯崎功典・キリンビール社長)と悔しがった。
ただ、税制大綱の全体的な評価としては「財政再建に不可避な消費税率10%への2段階引き上げについて、予定通りの実施を強く意識した」(長谷川閑史・経済同友会代表幹事)などと歓迎する声が多い。
企業関連税制では、投資減税の創設や研究開発税制の維持・拡充▽所得拡大促進税制の拡充▽復興特別法人税の1年前倒し廃止▽交際費課税の見直し-など幅広い改善策を盛り込んだ。経団連の米倉弘昌会長は「経済の活性化・好循環に資する内容が数多く盛り込まれている」と持ち上げた。