中部・北陸9県を“昇龍”にみたてたポスター(中部運輸局提供)【拡大】
だが、こうした追い風に安閑と構えているわけにはいかない。課題もある。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの内田俊宏エコノミストは、「首都圏や関西圏と比べ、製造業で稼いできた中部圈は『観光で稼ごう』という意識が低い」と指摘。さらに「製造業の海外展開や日本の少子高齢化の進行を考えると、これまでのような製造業一本で稼ごうという発想ではダメだ」と強調する。
そこで必要なのは、エリア内の消費を増大させる誘因になる「アジア地域を主体とした海外の富裕層を取り込むこと」だ。旅行中の消費額が高い中国人、そしてショッピング目的の訪日旅行需要が拡大を続けている台湾・香港に加え、富裕層が増え始めている東南アジアをターゲットとしている昇龍道プロジェクトは、最適なターゲットに照準を合わせているといえる。
だが、「もう一度行きたい」と思わせるのはやはり、人々のあたたかな心。まずは「お・も・て・な・し」の意識改革が、プロジェクトの成否を握るカギとなりそうだ。(佐久間史信)