気になるのが増税後だ。前述の馬場氏は、「民間消費などは中小企業に相対的に大きな収益をもたらす。消費税増税後に民間消費が頭打ちとなり、輸出主導の色彩が強まってくると、収益格差はますます広がる可能性がある」と論じているが、同感である。
安倍首相は消費税増税に伴う家計への負担増からくる消費需要の減退とデフレ圧力の高まりを懸念し、5兆円の経済対策を打ち出した。もとより前年度末の真水5兆円の補正予算で今年度の成長率が押し上げられたのだから、それ以上の財政出動がないと、来年度の景気失速は避けがたい。
そこで政府は復興特別法人税の来年度廃止など法人関連の減税を餌にして企業の賃上げを誘い、内需拡大につなげるシナリオを描いている。しかし、中小企業は消費税増税後の消費需要減の直撃を受ける。