平成26年度予算案で農林水産関係費の総額は、25年度当初予算比1・3%増の2兆3267億円と、2年連続の増額となった。政府が約半世紀ぶりとなる農政の大転換に乗り出したためだ。5年後をめどにコメの生産調整(減反)を廃止するのに備え、減反に参加する農家に支払う補助金の段階的な撤廃に着手。一方で、農地の保全に充てる新たな補助金を創設し、農地集約を進める経費も手厚くした。
「26年度予算は、(新しい農政の)実行元年の大切な予算だ」。
林芳正農水相は24日の会見で、今回の予算の意義をこう強調した。
減反の廃止を柱とする農政の大転換は、政府が10日に決めた農業の活性化策「農林水産業・地域の活力創造プラン」に盛り込んだ。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の妥結をにらみ、農業の競争力を強化するのが狙いだ。
昭和45年に始まった減反は主食用のコメを作りすぎて価格が下がらないように、国が主導して生産量を抑える仕組みだ。コメ農家の収入を確保して生活を守るのが目的だが、意欲のある農家の育成を妨げるなどの弊害も目立つことから、政府は平成30年度の廃止を決めた。
これに伴い、減反に農家を誘導する役割を果たしてきた補助金も見直す。減反への協力を条件に、農家に作付面積10アール当たり年間1万5千円を支給する定額補助金を26年度に7500円に半減。減反廃止に合わせて30年度に撤廃する。
26年度予算案では関連予算を50%減の806億円と大幅に縮小した。
減反補助金を減らす代わりに、農地を守る取り組みを支援する新たな補助金「日本型直接支払い」に482億円を計上。飼料用米などへの転作を促す補助金も10・1%増の2770億円と積み増した。