農地集約に向けては、都道府県ごとに新設する「農地中間管理機構」関連で305億円を盛り込んだ。狭い農地を集めて大規模経営を目指す農家や企業に貸し出す仲介役を担わせる。
今回の政策転換の背景には、コメ農家の保護を優先してきた従来の農政を続けていては、国内農業の先細りは避けられないとの危機感がある。中核的な生産農家の平均年齢は66・1歳に上昇。使われていない農地である耕作放棄地も拡大を続けており、滋賀県全体と同じ面積にあたる約40万ヘクタールまで達した。
TPP交渉は年内妥結を断念したが、来年2月に改めて閣僚会合を開く見通し。オバマ米大統領がアジアを歴訪する4月が交渉の次の節目とみられている。政府は、あくまでもコメなど農産品重要5分野の関税を維持する構えだが、同時に交渉妥結で国際競争にさらされても対抗できる農業の確立を急ぐ。
ただ、今回の政策転換は補助金頼みの農政から依然、抜け出せていない。企業の農業参入を加速させる規制緩和も先送りされた。保護農政から脱却し、農業を成長産業に育てるには一段の改革が必要になる。(本田誠)