政府がオーストラリアとの経済連携協定(EPA)交渉で、一部牛肉の輸入関税を引き下げる方向で調整していることが27日、分かった。日本は牛肉で譲歩する代わりに、オーストラリアの自動車関税(5%)の引き下げを引き続き求める。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の停滞も踏まえ、今春のEPA交渉妥結を目指す。
日本は、外食や加工用に使用される冷凍牛肉などの関税率を38.5%から約30%まで引き下げる案を検討。国産牛肉との競合が少ない品目に限ることで畜産農家の反発を抑えつつ、オーストラリアに自動車関税での譲歩を促す。
2007年に始まった両国のEPA交渉は、昨夏に日本が同様の提案をして合意が近づいていた。だが、オーストラリアは昨年9月の総選挙で政権交代し、交渉が事実上中断。日本政府内では新政権下で、交渉が仕切り直しになる恐れも指摘されていた。
このため日本側は、同11月の新政権のロブ貿易・投資相による訪日などで交渉に前向きな姿勢を確認。水面下で引き続き前政権と同様の譲歩案を協議し、早期の交渉妥結につなげたい考えだ。