衆院予算委員会で民主党の階猛氏の質問に答える麻生太郎副総理・財務金融相=18日午前、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)【拡大】
麻生太郎財務相は18日の衆院予算委員会で、企業が赤字になった場合に、その額を翌期以降の黒字から差し引ける「欠損金の繰り越し控除」について「(繰越し期間は)9年間に延ばしているので、これをやめるとか、いろんな課税ベースを広げる方法を考えなければならない」と述べ、制度の見直しの検討に着手する考えを示した。結いの党の青柳陽一郎氏への答弁。
麻生氏は4日の会見で控除の縮小について「検討している事実はない」として否定していた。この制度は、現行では最大9年にわたって赤字を繰り越せ、大企業では各年度の黒字額の8割までを差し引ける。
控除を縮小すると企業の税負担が増す一方、税収が増える効果が見込まれる。制度の見直しは、日本の法人実効税率を引き下げた場合の財源の穴を埋める候補として、政府税制調査会で制議論を進める方向だ。