PAGCORのナギアド総裁は「20年までにカジノ収入は60億~70億ドルに達し、シンガポールやラスベガスを抜いて世界2位となるだろう」と強気な姿勢を示した。
一方、欧州系格付け会社フィッチ・レーティングスによると、フィリピンのカジノ収入は15年まで2桁成長を続けるものの、その後の成長に関しては不透明だとしている。
フィッチはフィリピン政府がカジノ営業に関するライセンス取得条件を変更するなど、同国でのカジノ事業にはリスクが伴うと指摘する。また、15年以降、マカオで新しいカジノが開業し、近隣諸国との競争が激しくなると予測している。
ソレア・リゾート・アンド・カジノを運営するブルームベリー・リゾーツのラゾン社長は混雑が激しいニノイ・アキノ国際空港を例に挙げ「さらなる観光客を呼び込み、カジノ産業を育成できるかどうかは政府の交通インフラ整備次第」と述べるなど脆弱(ぜいじゃく)な観光インフラも課題だ。同国政府のカジノ産業振興に向けたかじ取りが試されている。(シンガポール支局)