一方、経団連は17~21日までの日程でニュージーランドとオーストラリアに訪問団を派遣。団長の米倉会長は20日のアボット氏との会談で、TPP交渉の早期妥結を要請するほか、EPA交渉の推進も訴える。
日本とオーストラリアのEPA交渉は日本の牛肉関税に加え、オーストラリアがかける自動車関税(5%)の扱いが焦点だ。日本は牛肉関税を30%前後に下げる案を提示する一方、オーストラリアに自動車関税の早期撤廃を求めている。
オーストラリアでは、トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズなど大手メーカーが現地生産からの撤退を決めており、日本政府内には「オーストラリアが関税を守る必要性は薄れてきている」との期待が大きい。
日本はTPP交渉の早期妥結をてこに、出遅れている通商戦略の巻き返しを図るシナリオを描いているが、TPP交渉は日米の関税協議での対立で長期化の懸念が強まっている。このため、オーストラリアとのEPA交渉を先行させることで、牛肉の対日輸出で競合する米国の焦りを誘い、TPP交渉で譲歩を引き出したい考えだ。