このほかにも酒・たばこの税収増によって14年の保健省の予算が837億ペソと、13年の530億ペソから大幅に増加した。これによりフィリピン健康保険公社が運営する公的健康保険への加入世帯が昨年の520万世帯から、今年は1470万世帯に増加する見通しだ。
現地紙マニラ・タイムズによると、世界銀行はこうしたフィリピン政府の取り組みを高く評価している。世銀幹部は同国の酒・たばこ税の改正を「記念碑的な成功」と持ち上げ、「他の東南アジア諸国に波及することを期待する」と述べた。
改正法では17年まで段階的な増税が毎年実施されることが規定されている。今年も1月から、たばこは1箱当たり2~5.5ペソ、酒は蒸留酒が来年までの据え置きとなったものの、ビールなど醸造酒が1リットル当たり1~2ペソ引き上げられた。政府は今年の酒・たばこの物品税徴収額を1048億ペソと見込む。
一方、たばこ製造業者の間では、フィリピンのたばこ販売価格は増税後でも他の東南アジア諸国と比べて安く、全体の消費量は変わらないとの見方が一般的だ。税制改正によって密輸品が増加したと指摘する専門家もおり、今後も同国の酒・たばこをめぐる議論は続きそうだ。(シンガポール支局)