福島第1原発4号機の原子炉建屋。燃料貯蔵プールから燃料棒を取り出す作業が続く=4月15日【拡大】
原子力産業を目指す若者も急速に減少している。電力各社やプラントメーカーなどでつくる「日本原子力産業協会」(原産協会)が、東京と大阪で毎年開催している原子力企業の就職説明会の来場者は、事故前の22年度は1903人だったが、23年度は500人を切る水準にまで激減。25年度も420人と22年度比約8割もダウンした。
25年度の参加者を学科別に22年度と比べると、「原子力・エネルギー系」は2割減にとどまったが、「電気・電子系」「機械系」「数学・物理系」は、それぞれ7~8割減少した。25年度の来場者アンケートのコメント欄には、「原子力は負のイメージが強い」「常に逆風」「使用済み核燃料の処理が不安」などの意見が書かれていた。
原子力・エネルギー系の技術者だけでなく、電気や化学などの技術者を確保できなければ、原発を安全に動かすことはできなくなる。まして廃炉は完了まで40年ともいわれるほど長期にわたる作業が続く。作業を完遂するためにも原子力に関わる人材の育成は急務だ。
だが、文部科学省によると、「原子」の名前を冠する大学3学科・大学院8専攻の昨春の入学者数は計260人とピークの22年度から55人減少した。日本原子力学会会長を務めた田中知・東大教授は「廃炉しか仕事がなければ、優秀な人材は入ってこない。安全な原発を造りたいと意欲を持つ人たちはいるはずだ。こうした芽を摘み取ってはいけない」と警鐘を鳴らす。
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は「技術継承のための人材を確保できるよう、将来的にも一定規模の原発を確保するという政策を明確にしてほしい」と求めている。
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