福島第1原発4号機の原子炉建屋。燃料貯蔵プールから燃料棒を取り出す作業が続く=4月15日【拡大】
■原発メーカー、海外展開加速
東芝や日立製作所、三菱重工業などの原発メーカーが海外展開を加速している。これまでは国内が中心だったが、福島第1原発の事故以降、原発の新設は期待できず、再稼働の遅れで保守業務なども減少しているからだ。技術を継承していくためにも海外での受注拡大が不可欠になっている。
「(原子力事業の中心は)海外。日本は新しい原発は見込めない」。東芝の田中久雄社長は強調する。東芝は今年1月に英国の原子力発電事業会社「ニュージェン」の株式の60%を取得すると発表。ニュージェンが英北西部で建設を計画する原発に、傘下の米ウェスチングハウス(WH)の最新型原子炉3基を納入する方針だ。
東芝は平成30年度までに原子力事業の売上高を1兆円にする目標を掲げる。欧州や中東などでの新規受注を視野に「達成は十分可能」とみている。
日立製作所も英国で24年に原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収、原発の建設を進めている。
日立が初の原発輸出に踏み切ったのは、人材や設備を維持していくのに継続的な受注が必要だからだ。原発事業は特殊性が高く、専門的な知識やノウハウが求められる。日立の担当者は「余った人員を他の事業に回したり、受注したからといって急に増やしたりはできない」と打ち明ける。
日本と異なり、欧州やアジア、中東などではエネルギー需要の高まりや温室効果ガス削減を背景に原発の新設が計画されており、ロシアなど海外メーカーも受注攻勢をかける。
日本原子力産業協会によると、世界で建設中の原子炉は81基、さらに計画中は100基に上るという。