同社は過去12年間で6度の経営再建策が講じられ、5度の経営陣交代が行われているが、いずれも成果が上がらず、結果として累積債務は115億リンギットに達している。体質的な問題は根深く、労働組合などの抵抗も強いため、再編は容易ではないとする意見も多い。
また、シンガポールの専門家は「世界的にみて国は航空会社の経営から手を引く傾向にある」と述べ、国有化で同社の再編が成功するかどうかは疑問だとの考えを示した。
さらに、マレーシア航空の再建策が大幅な路線削減などを含むものであった場合、利用者が減少するマレーシア空港公社や、マレーシア航空の機内食の75%を納入するブラヒムズ・ホールディングス、燃料販売でマレーシア航空を最大の顧客とするペトロナス・ダガンガンなどの業績に影響が出るとの見方が出ている。
思い切った民営化に踏み込むという見方や、3割程度の大規模な人員削減もありうるとの見方も出ており、マレーシア航空をめぐる議論は今後も続いていきそうだ。(シンガポール支局)