アルゼンチンは外貨準備高の不足に苦しんでいるほか、2001年の際のデフォルトで国債販売による長期資金の調達が難しくなっている。さらに、今回の新たなデフォルト騒動で、資金繰りは困難を極めることが予想され、中国の申し出はまさに「干天の慈雨」といったところだ。
アルゼンチンでは、習主席の訪問前から地元メディアが、アルゼンチンの債務問題で中国の報道担当者がアルゼンチンへの支援を表明したと報じるなど、歓迎ムードが広がっていた。
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習主席がフェルナンデス大統領に気前よく「ばらまき外交」を演出した、その2日前。両者はブラジルでも顔を合わせていた。
ブラジルと中国、インド、ロシア、南アフリカの新興5カ国(BRICS)の首脳会議が、初めて南米各国のトップを招いた会合で、フェルナンデス大統領は、アルゼンチンの債務問題を自ら取り上げ、「米国の金融システムには不平がはびこっている」と訴え、BRICSに対して支援を要請したのだ。