【ワシントン=加納宏幸】中間選挙での民主党惨敗で、米メディアは5日、オバマ大統領に共和党との協力の道を探るよう促した。上下両院で過半数を確保した共和党にも責任ある行動を取るよう注文をつけるなど、「決められない政治」からの脱却を求めた形だ。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で、今後2年余りの任期でレガシー(政治的遺産)を残そうとしているオバマ大統領に対し、経済分野で共和党と協力を進めるよう求めた。
具体的には、通商交渉で政府に強い権限を与える大統領貿易促進権限(TPA)法案を成立させる重要性や、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉での協力を挙げた。
社説は、共和党と「成果を分かち合う」ように心がければ、オバマ大統領が強いこだわりをみせる移民制度や税制の改革を実現する道が開けるとした。
それが、大統領としての評判を復活させる「唯一の道」だが、「オバマ氏が忠告を聞き入れることはないだろう」とも指摘した。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズは社説で、上下両院を制したことで、共和党は自らの統治能力を示す必要性から、オバマ大統領と妥協を図る機運が生まれるとの見方を示した。具体的にはTPP交渉で合意の可能性が出ると予測した。
ただ、選挙結果を踏まえて共和党が「これまで以上に保守的になる」とも予測し、マコネル院内総務に民主党との争いをやめるよう訴えた。
ブルッキングス研究所のガルストン上級研究員は「マコネル氏が共和党の保守基盤に即した(議会)投票を主導し、オバマ氏が移民制度改革で大統領令を発動すれば、米国民は対立と停滞の2年間を迎えることになる」と指摘した。