会談を前にロシアのプーチン大統領(右)と握手を交わす安倍首相=9日、北京(共同)【拡大】
【北京=阿比留瑠比】アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため、中国訪問中の安倍晋三首相は9日夜(日本時間同)、ロシアのプーチン大統領と北京市の釣魚台迎賓館で約1時間半にわたり会談した。両首脳は、北方領土問題を含む日露平和条約交渉を再開させることで合意し、来年の適切な時期の大統領訪日に向け、準備を具体的に開始することで一致した。
また、首相は緊張状態が続くウクライナ情勢に関して憂慮を表明し、ロシアが停戦合意を完全に履行し、平和的解決に建設的役割を果たすよう求めた。
当初は「今秋」を目標としていた大統領訪日は、ウクライナ危機の影響で先延ばしとなっていたが、首相が実現に強い意欲を示し、大統領もこれに応えた。
会談では冒頭、首相が「しっかりと平和条約締結交渉と国際情勢について話したい」と強調した。これに対し、大統領は「最近の数年間、経済・政治分野で日露関係は成功裏に発展を遂げてきた」と述べ、「政治分野というとき、平和条約交渉の再開を念頭に置いている」と明言した。