観光などで日本を訪れる外国人が中国や東南アジアを中心に増え続けている。今年の訪日外国人客数は1~10月の累計で前年同期比27.1%増の1100万9000人(推計値)と、年間の過去最高を記録した2013年の1036万人を早くも上回り、年間では1300万人前後となる見通しだ。ただ、旅行先が人気スポットの東京や関西といった特定の地域に偏り、現状では地方の豊富な観光資源を生かし切れていない。
東京五輪開催の20年に向けて政府が掲げている2000万人という目標の達成には、人気スポット頼りでは限界があり、地方への誘客拡大という課題を乗り越えなければならない。
関東・近畿に集中
「日本の良さが(訪日客に)改めて認識されたということだと思う」。観光庁の久保成人長官は11月19日の会見で、年初からの訪日客数の累計が過去最速で1000万人を超えたことを受け、自信をみせた。円安の進行で訪日旅行にかかる費用が割安となるとともに、外交関係の悪化で落ち込んでいた中国からの訪日客の回復が、今年の好調さを牽引(けんいん)した格好だ。