円安の度合いに比べて円建て株価の上昇幅が小さいからだが、円建て指数とドル建て指数は日銀による異次元金融緩和が2013年4月4日に打ち出されて以来、ほぼ重なるようにして変動してきた。それが、消費税増税後の景気動向を示す4~6月期のGDP(国内総生産)第1次速報値が発表された8月13日からカイ離し始めた。そして9月末からは円建て、ドル建てとも下落基調に転じ、その後を追うように円安傾向が止まった。円高に反転すると、今度は株安要因になる。
アベノミクスは異次元金融緩和で円安誘導し、株高につなげる。物価は日銀によるインフレ目標の狙い通りに上昇し、実質金利がマイナスになる。すると消費者や企業はカネを貯めずに消費したり、設備や株式などに投資する。
だが、金融だけで「15年デフレ」から脱出できるほど甘くはない。
2001年3月から2006年3月までの日銀による量的緩和期では円安で輸出を増やし、株価も上がったが、デフレ基調は続き、物価の下落以上に賃金が下がり、つまり実質賃金は下落し続けた。民間設備投資の回復もほんの一時期に終わった。