【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は20日夜(日本時間21日午前)、2015年の施政方針を示す一般教書演説を上下両院合同会議で行った。オバマ氏は、日本人2人の殺害を予告したグループとみられるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の壊滅を目指す考えを重ねて強調。また、サイバー・テロへの保安強化を表明した。21日から始まるキューバとの国交正常化交渉に絡み、議会に制裁解除を促した。
演説でオバマ氏は、「イラクやシリアでは軍事力を含む米国の指導力がイスラム国の前進を食い止めている」との認識を表明した。また、米国が「中東で新たな地上戦に引きずり込まれることなく、アラブ諸国を含む広範な同盟を率いている」とし、地上戦闘部隊を派遣せずイスラム国を弱体化させ、最終的に壊滅させる考えを強調した。
一方で、壊滅には「時間がかかる」とも指摘し、そのためイスラム国との戦いに焦点を絞った権限を大統領に与える軍事力行使権限承認を決議するよう議会に求めた。フランスでの連続テロ事件に触れ、「テロリストを追い詰め、そのネットワークを破壊する」と述べた。
オバマ氏は、中間層支援の拡充を重視する考えを強調。その一方で、富裕層に課される株式などの売却益への最高税率を現在の23・8%から28%に引き上げるなどの増税や大手金融機関の新たな負担増を表明した。上下両院で多数を占める野党・共和党は減税を主張しており、与野党の対決が強まることは避けられない。