中国系企業がニカラグアで着手した運河建設が波紋を広げている。貧困に苦しむニカラグア政府は手放しの喜びようだが、資金面などで巨大プロジェクトの実現を危ぶむ声が強いほか、土地収用や環境破壊への懸念から地元では抗議活動が拡大。さらにパナマ運河に対抗する海上輸送の要衝を確保するとともに、米国と中南米諸国の分断を狙う中国の思惑が見え隠れし、論議を呼んでいる。
垂涎のニカラグア政府
「建設をやめろ!」
プラカードや横断幕を掲げ、シュプレヒコールを続けるデモ隊。警官隊との小競り合いに発展し、とうとう逮捕者も出た。ニカラグア各地で昨年から何度となく繰り返されている光景だ。昨年12月10日の国連人権デーには、ニカラグア全土から約5千人が首都マナグアに集結してデモ行進し、気勢を上げた。
デモ隊が声をからして抗議するのは、ニカラグアを横断するように太平洋と大西洋を連結する大運河プロジェクト。2019年に運河が完成すれば、巨大タンカーが航行可能となり、やはり太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河も渡れない船舶も行き来できるという。