建設事業の雇用創出は20万人以上と見積もられ、観光・商業施設なども整備される計画で、ニカラグア政府は、現在4%台前後で推移する国内総生産(GDP)が、「運河完成後は10%台に跳ね上がる」とそろばんをはじく。ニカラグアは約600万人の国民の約45%が貧困状態にあるとされ、失業率は5割前後に達する。フランス通信(AFP)は「ニカラグアにとってまさに垂涎プロジェクトだ」と指摘する。
昨年12月に着工式典が開かれ、建設と運営を請け負った香港ニカラグア運河開発投資(HKND)の王靖最高経営責任者(CEO)は、「歴史的な瞬間だ」と胸を張った。
だが、興奮する事業者やニカラグア政府をよそに、プロジェクトには厳しい視線が注がれている。
ニカラグア運河の全長は約278キロで、パナマ運河の3・5倍もある。総工費は500億ドルにも達し、HKNDが中心となって用立てるというが、大手米銀の関係者は「これほど巨額の資金となると投資銀行や国際金融機関から調達する必要があるが、苦労するのではないか」と冷ややかだ。