甘利経済財政・再生相はGDP速報値発表後の記者会見で、「デフレ下で消費税増税を行なうことの影響について学べた」「デフレマインドが払拭しきれない中で、消費税を引き上げるのはかなり影響が大きい」と反省の弁を述べたが、そんなことは1997年4月の橋本政権当時の消費税増税後のデフレ不況を見ればわかる。甘利氏周辺の内閣府エコノミストたちからは楽観論ばかり吹き込まれたのだろう。本連載などで、「消費税増税でアベノミクスは殺される」と1年半以上前から警告してきた筆者からすれば、彼らエリートエコノミスト、エリート官僚たちが権力と納税者のカネを使って収集した豊富な情報をいったいどのように歪わい曲きょくしたのか、知りたいところだ。
問題は、再増税を先送りしたところで、アベノミクスが復調するわけではない点だ。