記者会見を終え、報道陣にポーズをとる中国の李克強首相=15日、北京の人民大会堂(共同)【拡大】
北京で開かれていた中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は15日、「新常態(ニューノーマル)」をキーワードとする政府活動報告などを採択して閉幕した。新常態は「坂を登り峠を越える重要な段階」と表現された。高度経済成長時代が終焉(しゅうえん)を告げ、成長鈍化局面に入ったことを聞き覚えのない言葉に言い換えた一種のレトリックだ。政府活動報告では、2015年の経済目標値を国内総生産(GDP)の実質成長率で前年と比べて0.5ポイント低い7.0%前後に、消費者物価の上昇率も同0.5ポイント低い3.0%前後に設定。成長鈍化やデフレへの懸念がにじむ。
「3つの…」言葉遊び
レトリックだけではない。政府活動報告には、毛沢東時代から中国共産党が得意とするスローガンもちりばめられた。どこか計画経済時代の古びたカビのにおいがする。新常態とは裏腹に、市場経済に移行しきれない“旧態依然”の現状も垣間見える。
中国のスローガンで最も目につくのは「3つの…」だ。江沢民元国家主席が02年に打ち出した「3つの代表」が最も知られる。共産党こそが「先進的生産力の発展要求、先進文化の前進方向、最も広範な人民の根本的利益」の3つを代表するという指導理念だというが、分かるようで分からない概念だろう。