ただ、韓国の場合、「甲乙関係を悪用した権力型性犯罪」は大学だけでなく、社会全体にはびこる。元検察総長が、自身が会長を務めるゴルフ場の若い女性職員にセクハラをしたとして告訴されたり、陸軍の大佐が女性兵士へのわいせつ事件で逮捕されるなど枚挙にいとまがない。“権力型”といえば、大韓航空機内で客室乗務員のナッツの出し方に怒って機体を引き返させた大韓航空前副社長による“ナッツ・リターン”事件も同じ構図だ。
こうした事態を受けて韓国政府は先月、ようやく重い腰を上げ、「権力型性犯罪」根絶対策を発表した。その実効性はともかく、ハンギョレ(電子版)によれば、今後はセクハラ犯罪で罰金刑を宣告されただけでも別途の懲戒手続きを経ずに、「当然退職」の措置がとられるという。そして最近では捜査機関や裁判所も大学教員のセクハラ犯罪を厳しく扱っているようだ。実際、レッスン中の弟子に常習的にセクハラをしていた音大教授に懲役1年6月の実刑判決が言い渡されたという。
一方で、大学側にセクハラの申告があっても学校の名誉を落とすとの理由で隠して済ませるケースが多いのが実情らしい。中央日報の社説は「大学が先に徹底した真相調査をし、懲戒すべきである。そうしてこそ追加被害を防ぎ、他の事件を予防できるはずだ」と訴えている。