ミャンマーのヤンゴン市内で目につくのは日本車ばかり。軍政時代に日本の自動車メーカーが現地生産したバスも現役だ(宮野弘之撮影)【拡大】
こうした危険を回避しようと、ミャンマー政府はこれまで、左ハンドル車の輸入を奨励、バスのほか乗用車についても、左ハンドルの韓国車や中国車のディーラーに優遇措置を与えるなどして、左ハンドル車の普及を進めてきた。左ハンドルへの移行を含めた自動車法の制定に向けた草案作りも進む。
草案は、ミャンマーでエンジニア資格を認定するミャンマー・エンジニアリング・ソサエティー(MES)が中心となって進めており、現地紙ミャンマー・タイムズによると年内にはまとまる予定という。
ただ、11月には総選挙があり、新法は来年招集される国会で審議されるため、実際に成立・施行となるのはさらにその先になりそうだ。
同協会のアウン・ミン副会長はミャンマー・タイムズに対し、「現在走っているほとんどの自動車が右ハンドルであることで、交通安全に影響を及ぼしている」として、中古輸入車についても実情に合わせ、左ハンドル車にすべきだとの考えを示した。ただ、同副会長も「右ハンドルか左ハンドルかの問題は論議を呼ぶだろう」というように、左ハンドルに統一するのは容易ではない。