習氏自身も、その既得権益層に近い太子党(党幹部の子弟など)の出身。国内経済がガタガタになり始めたとみて打ち出したのが、中国を起点に陸路と海路で欧州までインフラ建設のルートを結ぶ「新シルクロード計画(一帯一路)」だ。
その計画にアジアや欧州の国を引きずり込んで、いわば他人のフンドシで資金的に支える中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)。その成否は来年からの計画のカギとなる。例えば、中国国内の生産過剰で余分な在庫となっている建設資材を、新シルクロードのかけ声の下で周辺国のインフラ建設で“在庫処分”し、中国は経済成長の恩恵にあずかろうとの戦術まで見え隠れする。
政治と経済は不可分の中国。目標は7・0%なのか6・5%なのか。GDPの目標値が党内の権力闘争を再燃させている。年内に党内部で次期5カ年計画が決まったあと、幹部の人事異動を経て、来年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で初めて公表、追認する段取りとなっている。