ギリシャのデフォルト懸念を受けて安値を示す株価ボード=29日、東京都中央区(長尾みなみ撮影)【拡大】
29日の東京株式市場は大幅続落している。日経平均株価の午前終値は、前週末比368円81銭安の2万0337円34銭。ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が高まり、東京市場は売り一色に。東証一部銘柄の95%超が下げる全面安となり、下げ幅が500円を超える場面もあった。
欧州連合(EU)が金融支援を期限の30日で打ち切り、ギリシャがデフォルトに陥った場合、欧州経済だけでなく、世界の金融市場に悪影響が及ぶとの懸念が世界中の市場で高まった。
週明け最初の主要市場となった東京市場はこの直撃を受けた。午前の安値は516円安の2万0190円。取引時間中に2万0200円を割ったのはちょうど1週間ぶり。
前週の日経平均株価は24日にITバブル期を超える18年半ぶりの高値となる2万0900円台まで急上昇し、前週1週間の値幅は778円に及んだ。
このため、ギリシャ危機問題だけでなく、前週の急騰を警戒した利益確定売りも膨らんだほか、29日朝方にはギリシャ危機を受けた円高も影響した。円相場は対ユーロで前週末比一時4円超高の133円台後半、対ドルも2円近く上昇して122円台前半となった。やや落ち着きを取り戻した午前11時すぎは対ユーロは135円台半ば、対ドルは123円台前半まで下げた。
東証株価指数(TOPIX)の午前終値は、前週末比28.41ポイント安の1638.62。下落率は1.7%。午前終値段階でも東証1部銘柄の93%超にあたる1763が値下がりした。
主力株も全面安となった。特に日経平均株価に影響力が大きいファーストリテイリングは前週末比で一時1210円安で2.2%下落。午前終値でも800円安で1.4%安となり、日経平均株価を大きく引き下げた。ファナック、京セラ、ソフトバンクなども大きく下げた。