アテネ市内の銀行に現金を運び入れる警備員=28日(ロイター)【拡大】
欧州連合(EU)がギリシャ向け金融支援の延長を拒否し、ギリシャが30日(日本時間7月1日)に債務不履行(デフォルト)となる懸念が高まった。さらに、7月5日のギリシャ国民投票で、EU側の緊縮財政案を受け入れるかどうかも大きな焦点となる。EU側の提案を否決すれば、ユーロ圏離脱も現実味を帯びる。財務基盤が弱いイタリアやスペインに信用不安が連鎖する恐れも指摘されている。(飯田耕司)
デフォルト懸念
30日に支払期限を迎える国際通貨基金(IMF)への債務は16億ユーロ(約2200億円)に上り、現状で返済は困難とみられる。早ければ7月1日にもユーロ圏で初の財政破綻が起きる。
ただ、IMFへの返済は「当初は『滞納』扱いとなり、即デフォルトとはならない」(SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト)との指摘もある。その場合、ユーロ圏や欧州中央銀行(ECB)は債務不履行ではない、と主張することも可能だ。