アテネ市内の銀行に現金を運び入れる警備員=28日(ロイター)【拡大】
最終的にIMFは理事会でデフォルトを認定する。認定された場合、ギリシャの信用低下に伴い金融市場が混乱する恐れもある。
ユーロ離脱も
こうした中で、5日の国民投票の結果は、今後の行方を大きく左右する。
国民投票で、緊縮財政案が「否決」された場合、(1)公的債務の返済凍結(2)全面的な資本規制開始(3)借金証書(IOU)の発行増加-といった政策がとられる懸念がある。
ギリシャの国際的な信用力はさらに低下し、ギリシャの国内銀行で破綻が相次ぐことも想定される。年金や公務員給与支払いが滞る事態を招く恐れもあり、事態回避のため、独自通貨を発行せざるを得ない状況に追い込まれる公算が大きい。ただ、独自通貨も価値は低く、インフレが急激に進む恐れがある。
こうした「ユーロ圏の一部崩壊」により欧州では、「比較的財政基盤が弱いとされるイタリアやスペインに信用不安が連鎖」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)する懸念も広がっている。
加えて、EUからの離脱を模索しているとされる英国の判断にも影響を与え、「EUの存在意義が問われる」(証券アナリスト)との見方も出ている。