TPP交渉の閣僚会合に臨む甘利TPP相(右から2人目)ら=28日、米ハワイ州ラハイナ(共同)【拡大】
輸入制限を発動する基準となる輸入量を国別ではなく参加国全体の輸入総量で定めるのは、各国に競争を促すためだ。各国は努力次第で日本市場でのシェア(占有率)を高める余地があると訴えることで参加各国の理解を得たい考えだ。
そもそも、豚肉をめぐる関税協議にも政府の苦心の跡がうかがえる。
現行の日本の豚肉関税は輸入価格に応じて3段階に分かれる。
まず、1キロ当たり524円の「分岐点価格」を上回る高級品には4.3%の関税を課す。同64.53円を下回る安い輸入品には一律482円の関税を課し、安い輸入価格でも流通価格を482円以上にしている。2つの価格帯の間の輸入品は「基準価格」(546.53円)と輸入価格の差額を関税として徴収する「差額関税制度」を採用している。
関税協議では高価格帯と低価格帯の関税は下げるが、差額関税は維持する。適用範囲は狭まるものの、差額関税の価格帯が結局、最も低い関税となる仕組みのため、交渉関係者は「農家への打撃が抑えられる」とみている。