松井知事には、再び万博を誘致することで、大阪のバイオ・医療・製薬などの技術を世界に売り込んでいくことを想定する。その上で、かつて「東洋のマンチェスター」と呼ばれたように、活気ある大阪を取り戻したいという強い思いがあるというのだ。
大阪ダブル選後が焦点
松井知事の帰国後、府担当部局は大阪商工会議所、関西経済連合会、関西経済同友会の関係者を訪れ、ミラノ万博の様子などを報告した。これまで「情報が少なく、誘致に賛成するか決められない」と煮え切らなかった関係者らが、知事とBIE側の好意的なやりとりを聞き、前向きになり始めているという。
これを踏まえ、松井知事は10月2日の府議会本会議で、「『いのち・健康』や『長寿』といった世界が直面している課題解決に向け、企業や府民が有する力を発揮し、大阪ならではの国際博覧会のイメージを発信し、地元が一丸となって誘致できる環境づくりに取り組んでいく」と改めて誘致に向けて決意表明した。
11月22日には大阪市長選とダブル選で行われる知事選が控えている。誘致に積極的な松井知事が再選を目指して出馬するが、結果は不透明。経済界の本格的な協力が引き出せるかどうかは選挙後に帰趨(きすう)を決することになりそうだ。