安倍晋三首相が24日、自民党の谷垣禎一幹事長らに対し、軽減税率制度について「安定財源の中」で対応するよう指示した。自民党は「社会保障と税の一体改革」の枠内に収まる範囲として対象品目について「生鮮食品」を軸に公明党と調整を進める構えだ。それでも自公協議では、事業者の経理方式をどうするかという問題があるほか、新聞や書籍・雑誌類もどこまで対象品目に入れるかの課題が残されている。
軽減税率をめぐる議論は(1)制度導入で失われる税収減の穴を埋める「代替財源」の確保策(2)「対象品目」の選定(3)事業者の経理方式-に絞られている。
首相が財源の範囲に言及したことで対象品目は、税率8%に据え置いても年3400億円の税収減で済む生鮮食品が最有力になる。ただ、軽減税率を導入する欧州では新聞・出版物にも適用しているケースがほとんどで、与党協議でも対象に加えるかを検討する。
消費税率10%への引き上げ後に8%の軽減税率を導入すると、2つの税率の取引を仕分けする必要が生じる。それに対応した当面の経理方式については、自民党の宮沢洋一税制調査会長と公明党の斉藤鉄夫税調会長が素案の作成を進めており、週内にも開く与党協議で提示する。
公明党は、現行の請求書に軽減品目をチェックする欄を設けて税額を計算する方式を提案。自民党は公明案でも事業者の負担が重いとして売上高に占める軽減品目の割合を一定だと仮定し納税額を計算する「みなし課税」を選べる、さらに簡素な仕組みを求める。
納税額の正確な計算のためには品目ごとに税率、税額を記載したインボイス(税額票)の導入が必要との認識では自公は一致している。