安倍晋三首相(自民党総裁)は24日、党本部で谷垣禎一幹事長、宮沢洋一税制調査会長と会談し、平成29年4月の消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率の代替財源に関し「社会保障と税の一体改革の枠内で議論してほしい」と指示した。宮沢氏が会談後、記者団の取材に答えた。
首相は会談で、軽減税率の対象品目について「事業者の混乱が起こらないよう、わかりやすい制度にしてほしい」とも求めた。
焦点となっている対象品目について、財政への影響を抑える「生鮮食品」を軸に調整する考えを事実上示した形で、加工食品も対象に含めるよう主張している公明党との開きは大きい。
自民党は軽減税率の財源について、低所得者向けの社会保障充実策「総合合算制度」の見送りで生まれる4千億円の枠内でまかなう方針。これに対し、公明党は幅広い対象品目の適用を求め、財源については「一体改革の枠にとらわれず、税財政全体で考えるべきだ」と主張してきており、首相は公明党との認識の違いを明確にした格好だ。
これに関し、自民党の稲田朋美政調会長は、この後の党役員連絡会議で「一体改革の枠に収めないと財政再建計画に響く。妥協はしないでほしい」と述べた。
自民、公明両党は総合合算制度の見送りで浮く年約4千億円を財源に充てることで一致しているが、対象品目の線引きなどでは意見が平行線をたどっている。軽減税率の制度設計も盛り込んだ平成28年度与党税制改正大綱を12月10日までにまとめる方針で、両党幹事長による協議で綱引きはさらに激化しそうだ。