【上海=飯田耕司】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は声明で、経済安定への結束を強調したものの、日米欧で方向性の異なる金融政策をどう「協調」させるかという具体策はまとまらず、踏み込み不足の印象は拭えない。利上げに舵を切った米国と、金融緩和を実施中の日欧の歩調は合わせにくくなっており、市場の動揺を収める“特効薬”はなかなか見つからない。
昨年12月に米連邦準備制度理事会(FRB)は、不動産バブルなど景気過熱を懸念し利上げに踏み切った。しかし、リーマン・ショック後に新興国を潤してきた緩和マネーは流出。投資家が今後の利上げテンポを見通しにくくなっていることも市場の混乱に拍車を掛けている。
一方、日銀の黒田東彦総裁はG20財務相・中央銀行総裁会議で「マイナス金利政策」について、物価安定のためと説明したが、米国の一部からは「輸出産業保護のための通貨安誘導」と反発する声が上がる。
米自動車産業は利上げとマイナス金利の「相乗効果」によるドル高に神経をとがらせており、大統領選の候補指名争いでは、クリントン氏とトランプ氏が日本を名指しで「為替操作」と批判している。
今回、市場の安定に向けて「すべての政策手段を用いる」と声明に明記したのは、日米欧の足並みがそろわないほか、「金融政策のみでは、均衡ある成長につながらない」と判断したためだ。