CEOのダニエレ・ラーゴ氏は40代前半である。彼が伝統的ファミリー企業を今らしい企業に変えた。
モジュール型の家具を標榜するラーゴ氏は「我々は料理を作っているのではない。食材を作るメーカーである」と語る。料理をするのは社外の人たちで、その人たちが積極的に好みの食材を使えるように環境をつくるのがラーゴ社の立場である、と考えている。
中小企業の経営者たちは「大きなデザイン」に無縁であると考えやすい。「目の前のことだけで、それ以外に目を配る余裕がない」というセリフとともに。しかし、これはサイズの問題ではない。
モノとその周囲をどれだけ広く考えるか?という心構えが問われているのである。その心構えが社会貢献型のNPOや大企業の専売特許であるはずがない。
「モノのスペックだけでは売れない」「モノではなく経験を売るのだ」というキャッチフレーズだけに右往左往していると、「大きなデザイン」はなかなか見えてこない。
実は「大きなデザイン」こそ、人が生きる日常生活の場を視野に入れた、地に足がついた考え方なのだ。口を開けば「現実は…」と話すのは、地に足がついていない証拠だ。
(安西洋之)
ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih