
海上自衛隊のイージス艦「きりしま」から発射されるSM-3ミサイル(海上自衛隊HPより【拡大】
「当たらない」伝説
こうしたミサイル防衛(MD)に対し懐疑的な見方も多いが、不信の元のひとつは1991年の湾岸戦争にある。当時PAC-3の1代前のPAC-2が、イラクのスカッドミサイルを迎撃するため実戦投入された。米政府は当初、スカッドのほぼ全てを「2」で撃ち落としたと発表したが、後の米議会などの調査で命中率はわずか9%だったことが明らかになった。
この失敗から大改良を施され、ほぼ別のミサイルに進化した「3」は、03年のイラク戦争で実戦に投入されて弾道弾2発の迎撃に成功し、その高性能を証明した。
とはいえ、軍事の世界に100%の安心はない。
“撃ち方”の問題
弾道ミサイルは、簡単に言えば「大きな砲弾」だ。普通の砲弾が火薬の爆発力で大砲から飛び出るのに対し、ミサイルはロケット推進という違いだけで、放物線を描いて自由落下で目標に落ちていくのは同じ。だが、現代では大砲の撃ち方さえも進化している。