全人代で会場の大型画面に映し出された中国の李克強首相=3月5日、北京の人民大会堂(共同)【拡大】
注目ポイントは、人民の関心事の1位が「社会保障」、2位が「収入」となったことだ。前年の1位「所得の再分配」、2位「汚職防止」から大きく様変わりした。
まだ経済成長に勢いのあった前年の調査時点では、好景気を反映し、少しでも恩恵にあずかりたい人民の関心が高まって「所得の再分配」が浮上。また、好景気の恩恵を不正に享受する官僚などへの怒りが「汚職防止」への関心を強めた。
それが今回は一転。関心事が「社会保障」「収入」へと変化した。
その背景について、シンクタンク「ニッセイ基礎研究所」の片山ゆき研究員は「昨年後半以降の急激な経済減速を背景に、人民が生活防衛の姿勢に転じた心境の変化がうかがえる」と指摘する。
今回の回答者の年齢構成などは公表されていないが、中国のネット利用者は10~30代が最も多いとされ、比較的若い世代の意見が反映されているとみられる。
片山研究員は「若い世代を中心に、生活不安が広がっている」とする。