中国河北省唐山の工場に山積みとなった鉄パイプ。中国で過剰生産された鉄鋼製品が安値で輸出され、日本などの競合企業の経営を直撃している=2015年11月3日(ロイター)【拡大】
だが、ここは各国とも慎重に検討すべきだ。感情論に背中を押され保護主義に走るのは論外だが、不公正貿易の実態が厳然と残るなら、厳しく対処すべきは当然である。
気がかりなのは、そこに目をつむり、中国の機嫌を伺うように前のめりの認定に動くことだ。それで日米欧の足並みが乱れるようではAIIB参加問題と同じである。
大切なのは、日米欧が連携し、中国の認定にどう対処するのか、共通の論理を構築することだ。その上で中国に一段の改革を迫る。それこそが世界貿易の健全な発展に欠かせぬ手立てである。