
首相官邸に入る安倍首相=12日午前【拡大】
安倍晋三首相は12日午後、デフレ脱却を狙った総合的な経済対策の策定を麻生太郎財務相と石原伸晃経済再生担当相に指示する。対策では訪日観光客を地方に呼び込むため港湾などのインフラを増強する。国が民間に低利で資金を貸し出す「財政投融資」を上積みし、リニア中央新幹線の大阪延伸の最大8年前倒しや中小企業の資金繰り支援などを盛り込む。
対策は月内にもまとめ、裏付けとなる2016年度第2次補正予算案を秋の臨時国会に提出する。税収の伸び悩みで財源が不足しており、4年ぶりとなる国債の追加発行も検討する。
対策では、農林水産物・食品の輸出拡大に必要な施設を全国に整備。熊本地震を教訓に、建築物の耐震改修といった防災対策も急ぐ。補正予算の財政支出に国の融資などを加えた事業規模は10兆円を超える見込みだ。
財源は、公共事業に充てる建設国債の追加発行を検討する。国債発行額を増やせば、第2次安倍政権の発足直後に編成した12年度補正予算以来となる。